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書籍㉗経営者に贈る5つの質問(第2版)

タイトル    経営者に贈る5つの質問(第2版)

出版社    ダイヤモンド社

著者     P.F.ドラッカー(訳:上田惇生)

価格(税別) 1,500円

 

中小企業経営者     ☆☆☆ 

中小企業診断士勉強者  ☆☆☆

 

<内容>

 知り合いから経営者に一番勧めたい本と紹介されて読んでみました。

 

 5つの質問とは、今行っていること、行っている理由、行うべきことを知るための経営ツールである。

 

 それは、①我々のミッションは何か?、②我々の顧客は誰か?、③顧客にとっての価値は何か?、④我々にとっての成果は何か?、⑤我々の計画は何か?であり、全てが行動につながる。何事も行動が伴わなければ意味はない。

 増大する一方のニーズに応え、難局にあって成果をあげるには、ミッションに焦点を合わせ、成果をあげていくかなかれればならない。

 

 ここにおいて最大の危険は、実際に顧客を満足させるもののためではなく、顧客を満足させると思い込んでいるもののために働くことである。顧客にとっての価値を想像してはならない。必ず顧客本人に聞かなければならない。5つの質問に答えるには顧客との対話が不可欠である。

 

 5つの質問がもたらすものは行動のための計画である。計画とは明日決定するものではない。決定することができるのは常に今日である。明日のために目標は必要である。しかし問題は明日何をするかではなく、明日の成果のために今日何をするかである。測定可能な目標を設定し、体系的来なフィードバックを通して成果を評価し、状況に応じて調整していくというプロセスである。

 

①我々のミッションは何か?

 組織は全て人と社会をより良いものにするために存在する。すなわち、組織にはミッションがある。目的があり、存在理由がある。またリーダーたる者は組織のメンバー全員がミッションを理解し、信条とすることを確実にしなければならない。そのために簡潔な言葉でミッションを規定しなければならない。また、常に我々のミッションは何かを正面に据えなければならない。

 

 質問①を考えるための問い:①我々は何を実現しようとしているのか?、②特筆すべき新しい問題と機会は何か?、③ミッションは再検討すべきか?

 

②我々の顧客は誰か?

 組織の顧客は、組織の活動とその提供するものに価値を見出す人たちと定義できる。焦点を絞らなければ、エネルギーは放散し、成果はあがらない。また(組織形態によるが)、顧客には、活動対象としての顧客とパートナーとしての顧客の2種類ある場合があり、どちらも満足させなければならない。

 

 質問②を考えるための問い:①我々の顧客とは誰と誰か?、②我々の顧客は変わったか?、③顧客を増やすか減らすか?

 

③顧客にとっての価値は何か?

 ここでの原則は、顧客は皆正しいとして、顧客から必ず直接答えを得なければならない。答えを想像してはならない。まず初めに行うべきは、いかなる情報が必要か知ることである。次に顧客にとっての価値を客観的事実として受け入れ、彼らの声をあらゆる検討と意思決定の基盤とすることである。

 

 質問③を考えるための問い:①我々の顧客は何を価値としているか?

 

④我々にとっての成果は何か?

 組織がミッションを実現するには、あげるべき成果を明らかにして資源を手中しなければならない。成果の実現は定性的、定量的に評価することができる。定性的な尺度は変化の広がりと深さを教えてくれ、定量的な評価にはき客観的な尺度が必要なため、どちらの評価も必要である。ここでの最も重要な質問が、資源を投ずることを正当化できるだけの成果を生み出しているかである。

 

 質問④を考えるための問い:①我々にとっての成果をどのように定義するか?、②成果はどの程度実現しているか?、③資源を活用しているか?

 

⑤我々の計画は何か?

 我々は5つの質問を問うことにより計画を立てる。組織としての方向性を示す計画を得るが、その中には、ミッション、ゴール、目標、行動(アクションプラン)、予算、評価が織り込まれる。

 

手順は以下の通りである。

 

1)ミッションを確認し、目標を設定する。ミッションは「目的は何か、何のためのものか。つまるところ、何をもって憶えられたいか」に答えるものである。ゴールは、長期的な到達地であり、包括的かつ絞りこんだものでなければならない。目標は具体的かつ評価可能でなければならない。それは組織をゴールに向けて進めるべきものである。

 

2)計画の策定をし、評価可能な目標、行動、予算に加えて、成果の具体的な提示を行い、第3者によって評価される。

 

 

 計画の策定において第一に行うことは、成果をあげていないもの、成果をあげなくなったものを廃棄することである。第二に行うことは成功しているものと成果をあげているものの強化である。第三が、明日の成功、真のイノベーション、想像を掻き立てるものの追求である。第四がリスクの評価である。負えるリスク、負えないリスク、長期のリスク、短期のリスクなどをバランスさせる必要がある。第五が分析により、廃棄すべきか、強化すべきか、新たに手を付けるべきか、リスクを取るべきかを知ることである。

 

 計画はアクションプラン及び予算として具現化される。誰が何をいつまでに行わなければならないかを規定し、予算が実行に必要な資金を資源をコミットする。

 

 これらの5つの質問を自分に問いかけることによる「自己評価」プロセスには終わりはなく、リーダーたる者は現状に満足してはならない。特に「何をもって憶えられたいか」と問い続けなければならない。

 

<感想>

 元々この本は、企業の経営者向けではなく、マネジメントの意識が薄かった非営利組織のために書かれた本です。そのため内容も非営利組織向けになっているので、上記のまとめでも書きづらい部分はありました。

 

 ただ、一般の企業にも使える質問だと思いますので、今回選んでみました。自分も含めて毎日だらだらと目の前の仕事をやっている人間にとっては大変耳の痛い内容だと思います(笑)。