タイトル 勝者の思考回路
出版社 幻冬舎
著者 柴田陽子
価格(税別) 1,500円
中小企業経営者 ☆☆☆
中小企業診断士勉強者 必要なし
<内容>
NHK等で特集される有名マーケッター、柴田陽子氏の書籍です。
私(著者)の考える勝者とは、「自分」「仲間」「社会」のすべてにおいて「YES」と答えられる人のことである。つまり、常に自分自身が高い志を持ち、周りを見れば味方が多く、応援してもらえる、そして誰かの役に立つという充実感の中で生きている人である。
そして、私は勝者であり、これからも勝者であり続けたいと思っている。なぜそんな風に思えるのか?すべては思考回路のせいである。つまり私の思考回路には、失敗や諦めるという出口を想定していなかった、これが勝者の思考回路であると考える。
そのためのスタートしては、目の前にあるすべてに対して「感想」を持つことである。この思考回路は訓練によって身につけることができるものであり、社員に対して行っている最大の教育である。
この勝者の思考回路を私は自分で意識的に開発してきた。また、この思考回路は「考え方」とは異なる。考え方というより、より客観的に構築できるものである。
勝者の思考回路は「感想」を持つことから始まる。経験の多寡ではなく、「何を思うか、感じるか」。「感想」の持ち方と持つ量が重要である。私は感想のない経験など無意味だと思っている。
まず、「良い感想」にこだわってほしい。「良い感想」とは、ポジティブな感想という意味ではなく、「そこから物事を発展させる感想」である。さらに思いつく限り多くの感想を導き出すことが必要である。良い感想は、自分の思いをきちんと伝え、考えを共有することに役立ち、相手の本質をとらえる力になる。また客観的な視点でモノを見ることができるようになり、ビジネスアイディアが生まれやすくなる。
さらに、「結果」にこだわる必要がある。クライアントに対して、単なる売上や数字のことだけでなく、「どんな結果を求めているか」を聞き出し、結果をできるだけ細かく設定・定義し、そこまでたどり着くための道筋を考える。もしここまでやって失敗したとしてもそれは学びになってくれる。
私は伝えることに長けているといわれているが、その理由は、どんな時でも「なぜ?」を考えているからだと思う。すべてのことに理由があると考えており、相手を納得させる理由があれば、感謝されることになる。
人間関係はまず正しく知ることから始まると考える。知らなかったから仕方ないは言い訳でしかなく、知らないことはいけないことだという物差しを持つべきである。
クライアントからの依頼リストがあったとしても、本当の目的を相手(トップ)から聞き出すことが重要である。その本当の目的を当社の「責任」とすることにより、つまり責任を高いところに置くことにより、視点が高くなり必要なことがどんどん見えてくる。「責任」の設定をするときにどれだけ「想像力」を膨らませるか、「想像力」の高さが人と差をつけてくれると考える。
クライアントの言葉に感動した時に、相手の言葉の向こうにある背景や思いを想像して自分なりの言葉、特にストーリーにして伝える。それによって相手も感動して情熱を共有できる。つまり、「感動力」の強さは武器になる。
*著者の言葉の中で、印象に残ったものを載せます。
・人が喜ぶことを想像する。
・「見えない価値」をどこまで想像できるか。
・「5分ちょうだい」が持つすごい力。
・大切な時に逃げなかった経験はあなたに絶対的な自信を与える。
・「ノーと言わない」と決める。そこからがスタート。
・「コンセプト」は最大の武器である。
・大変なときこそ、自分を労わるより、相手への敬意を忘れないこと。
・愚直なまでの誠実さは、必ず人の心を動かし、成果にもつながる。
・「信念」を頑固は使い分けろ。「協調」と妥協も使い分けろ。
・晴れた日に道の真ん中を歩くように仕事をする。
・どんなことも、他人事ではなく、自分事。
・失敗したのは自分のせい。成功したのはみんなのおかげ。
・変わることに強い人が結果を残す。
・今目の前にいる人に誠実であれ。それが正しい人脈の作り方。
・あなた自身の応援団を増やしてほしい。
・あなたらしく、一日一日を大切に生きる。
<感想>
ブランドプロデューサーとして有名な柴田陽子氏の著作ですが、思ってた内容こと結構異なっていましたが、面白く読ませてもらいました。テレビで見たのは華やかな部分だけでしたが、どうしてそのようになったかもわかり、逆にこのようになるのは難しいなとも思ってしまう内容ですね。
精神的鼓舞のような内容が多いので、最後の方は自分の参考になりそうなコメントだけを載せました。
それでも、毎日経験することに対して、もっと背景などを想像することの大切さは十分感じましたので、良い感想を持てるように訓練していきたいと思います。
今特に感じているのは、我々は想像力が減少しているように感じています。診断士としても仮説を作るなど大切な能力ですので、鍛えていきたいと思います。