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書籍㉝Makuake式「売れる」の新法則

タイトル    Makuake式「売れる」の新法則

出版社    日経BP

著者     坊垣佳奈

価格(税別) 1,600円

 

中小企業経営者     ☆☆☆ ☆

中小企業診断士勉強者  ☆☆☆

 

<内容>

これからの時代で「売れる」を支える8つの法則を紹介する。

 

法則1 旗を立て、やりたいことを宣言しよう

●「成功の定義」は広がり、「本質的な幸福度の高さ」に気づき、求める人たちが増えてきている。

●ものが溢れる時代、消費者の心を動かす唯一無二の商品の魅力は「作る人の熱意」から生まれる。

●「自分がこの事業をやるべきだ」という強い信念は消費者にも伝わる。丁寧にコミュニケーションをとろう。

 

法則2 うまくいくブランドは「2階建て」である

●うまくいくブランドは2階建て。1階部分に基本的な構造部分(食べ物なら美味しさ、サービスなら使いやすさ)がきたあと、2階部分に新規性、オリジナリティなどプラスアルファの要素が乗っかる。1階部分の確かさがあってこそ2階部分が活きてくる。

●自分たちが作っている物や体験の「揺るがない価値、届けるべき価値は何か」の基本をもとに、一度壊して、再構築をする。そうすれば、固定概念から外れて新しい価値を生むことができる。

●「この商品がユーザーに与えるベネフィットは何か」から、2階部分を考えるのも有用だ。狙う市場そのものが変わる可能性もある。

 

法則3 素直に伝えよう

●作り手と受け手が直接的にコミュニケーションを取れる時代においては、何かを隠さず、とにかく「素直に」伝えよう。

●成熟社会におけるヒットの秘訣は特定ゾーンにいる人に何度も愛用してもらえるような商品を作ること。大量消費・大量生産の思想から脱却しよう。

●一方的なポジショントークをやめ、商品のメリット・デメリットをなるべく正しく伝えることで、お客様に心から愛されるブランドを目指そう。

 

法則4 「伝統」をデザインで刷新する

●すでにある技術や文化を、従来と全く異なる文脈で「現代の生活」と結びつけることで新しいものを作り出していく。

●「やったことがない」ことを始めるときに断られるのはあたりまえ。諦めずに協力者を集め続けよう。

●攻める前に「愛に溢れた市場」かどうかを見極めよう。ファンが多ければ多いほど巻き込む人を増やすことができる。その商品が誰に届き、どういった人たちに愛されるかを考えながらものづくりを進めることで「愛される商品」ができる。

 

法則5 ユーザーを巻き込んでうねりを作ろう

●まずは「初速」に注目しよう。作って終わりではなく、周囲を巻き込み、勢いを加速させよう。「良い」と思った瞬間に買ってもらえるような仕組作りを忘れずに。

●オンラインを活用し、顧客データを集めよう。誰が、いつ、どんな商品を買ったかがわかることで、より効率的に顧客へのアプローチが可能になる。

●リターンを決めるときは、金銭的な価値よりも、対象ユーザーにとってどれだけ魅力的であるかを考え抜くことを忘れずに。

 

法則6 売れるのは「もの」だけではない!

●成功した商品は、その商品を購入することによる情緒的価値、それを買う時の体験まで提案している。リターンは「有形」だけにこだわる必要はない。

●商品を世の中に出した後も、消費者とのつながりをもとに新たなアイディアの収穫に努めよう。彼らの意見を取り入れることで、新商品が生まれることもある。

●ある業界では「あたりまえ」の仕組みや構造を、まだ適用されていない業界へ移植することで、新しい価値が作れる。視野を広く持って、固定概念から抜け出そう。

 

法則7 本格化する、サステナブル

●廃棄問題や環境汚染など、サステナブルな観点に対し、企業としてどう向き合っているのかが世界的に注目されている。消費者が、根本的かつ根深い部分まで見ていることを忘れないようにしよう。

●価格が安いから買う、のではなく、配慮や価値が分かったうえで購入する人は今後も増えていく。企業の小さな表明が、購買行動の決め手になる可能性も多い。

●宣伝目的の表層的な意識や実践ではいけない。本質をつかんだ本業にまつわる実践と、その丁寧な発信を心がけよう。

 

法則8 リスクを減らし、「スモール・スタート」で始めよう

●かつてより「作ってみたから売ってみる」ことが容易にできる世の中になった。大量生産する前に、「先行テスト」「実験」という立ち位置でまずは世の中の反応を聞いてみよう。

●試作品だけで終わる「幻のプロジェクト」があってもいい。目標金額に達成しなかった場合は、費用が発生しない方式もあるので、若手のアイディアや「やってみたかったこと」にどんどんチャレンジしよう。

●最初の一歩を踏み出すことは、企業だけでなく作り手の人生を変えることもある。たった一つのリスクがあるとすれば、「売れないのでは?」「無駄だよ」という「マイナスのイメージ」に負けること。聞いた人が抵抗感を抱くような意見こそが「発明」ということを忘れずに。

 

<感想>

MakuakeとCAMPFIREは、マーケティング支援系のクラウドファンディングとしては双璧で、私の知り合いもどちらにも出店して目標金額を超えています。

 

今後ますます人気が出ると思いますので、商品PRに困っている企業様は出店を検討されてみてはどうでしょうか。ただ、両社とも大手企業のサポートもやっているのですが、大手は自分でやってほしいですよね(笑)。