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災害などの緊急時の資金繰り

 2024年もビックリすることから始まりました。皆さんはどうのような年始を迎えられましたでしょうか。

 

 千葉県は2018年・2019年の台風災害から新型コロナウイルス感染症と災害が続きましたが、まだ大型地震が残っています。

 1923年の関東大震災は東京の火事が大きく取り上げられていますが、実際大きな災害があったのは、震源地である神奈川県と震源地に近かった房総半島地方になります。その時に房総半島先端は約2メートル隆起したと言われています。今回の能登半島地震では約4メートルの隆起があったらしいのでその半分ですが、2メートルの隆起はかなりの被害を与えると思われます。

 

 新型コロナウイルス感染症の発生で多くの中小企業が融資を受けられたと思いますが、今回災害等が起きた時に資金繰りに関してどのように対応したら良いかをまとめてみました。

 本来は使わない方が良いのですが災害が多い日本ですので、再確認してみましょう。

 

 今回も「中小企業の財務チャンネル」様の配信を参考にさせて頂いています(感謝)。

 https://www.youtube.com/@kodato-morio

 

 ①日本政策金融公庫による災害復旧貸付

  ・企業様の規模により窓口が2つありますのでご注意ください。

   国民生活事業(小規模事業者・中小企業) https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/saigaikashitsuke_m.html

   中小企業事業(中堅事業者)https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/saigai.html

  ・民間金融機関に比べて政府系金融機関のため動きは早いです。また売上の減少等の要件はありません。

 

  *医療・福祉系企業様は、福祉医療機構の災害復旧資金もご利用いただけます。

   https://www.wam.go.jp/hp/recovery-tabid-351/

 

 ②商工中金による災害復旧資金

  ・商工中金は通常対象は中堅企業になりますが、災害時は小規模事業者、中小企業も対象になります。

  ・災害が発生するたびに、窓口を作って対応しています。

   https://www.shokochukin.co.jp/disaster/

 

 ③銀行・信金・信組によるセーフティネット保証4号融資

  ・市町村が売上等の減少を確認して認定した先に民間金融機関が貸し出す制度です。

   そのため、上記①、②に比べると時間が掛かります。

  ・以下は新型コロナウイルス感染症発生時の市川市のセーフティネット保証4号に関するウェブサイトです。

   https://www.city.ichikawa.lg.jp/eco01/1111000197.html

  ・いくつか災害があった場合、これらの融資は災害ごとに融資枠が決まっていないので、ご注意ください。

   例:既に新型コロナウイルス感染症発生時に借りてしまっていると追加融資が受けられない可能性もあります。

 

 ④当座貸越での借り入れ

  ・もし民間金融機関に当座口座があれば、最大枠まで速攻でかりましょう(笑)。

 

 ⑤生命保険の契約者貸付

 ⑥経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)の一時貸付        

  https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/about/index.html

  一時貸付制度について https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/about/loan/index.html

 ⑦小規模企業共済の災害時貸付 https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/

   貸付制度について https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/loan/index.html    

  ・上記の制度の加入している方は、解約をせずに借り入れをすることができます。

   振込額が最大となりますが、融資に比較すると早めに入金されることが多いです。

 

 ⑧金融庁から金融機関への要請内容

  ・以下が今回の能登半島地震の特設ページです。

   通常の取引では難しい事も金融機関に要望していることもありますので、一度確認してみてください。

   必要に応じて(金融機関も全ての事項を理解しているわけではないので)コピーを持っていくのも良いと思います。

   https://www.fsa.go.jp/ordinary/earthquake202401/press.html

 

 ⑨税金の申告・納税の延長

  ・以下は国税庁に記載されている能登半島地震に関するウェブサイトのページです。

   特に現在は確定申告の時期ですので、納税の猶予などの可能性を確認してみましょう。

   https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r6/noto/index.htm

 

 ⑩社会保険料の納の猶予

  ・同じく年金機構も能登半島地震の被害者への猶予を告知しています。

   https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2024/0109.html

  ・以下は新潟市のウェブサイトです。各行政団体も告知していますので、こちらも確認しましょう。

   https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/bosai/shien-fukushi.html#cmskokuminnenkinhoken

 

 ⑪リスケについて

  ・資金繰りが厳しくなると返済を止めたくなります。

   しかしながら、リスケを一度するとその後一定期間融資を受けられなくなります。

   そのため、リスケは最後の手段として、上記①~⑩の融資が受けられるかを検討してみて、どうしても難しい時は、

   リスケを行うことが良いと思います。

 

 ⑫その他

  ・新型コロナウイルス感染症発生時にもあったように、雇用調整助成金などの支援策も少し時間が経つと発表される

   と思います。そのような情報に関しては、お近くの商工会、商工会議所や役所に随時聞くようにしましょう。

 

 「備えあれば患いなし」です。事業継続計画(BCP)まで作らなくても常に何かあった時の準備は怠らないようにしましょう!